「小春? 最近、なんだか元気ないんじゃない?」
浅見屋への嫌がらせも高城さんに話をして以来、妙な電話もファックスもパタッと来なくなった。高城さんは現在長期で出張中ですでに二週間不在だ。彼のいない部屋へ帰るのも気が滅入る。だから実家に泊まったりして気を紛らわせていた。そんな毎日を過ごしていたら、無意識に明るい気持ちも失せてしまい、祖母に言われるまで「元気がない」ことに気づかなかった。
「そんなことないんだけど……」
仕事終わり、店の奥にある座敷で祖父母と三人で座卓を囲む。祖父は指をなめながら新聞をめくって読むのに集中している。隣にいる祖母に浮かない顔を覗き込まれてなんとなく気まずい。
「あ、もしかして……小春、おめでたとかなんじゃない? 最近具合があまりよくないこともあったでしょう?」
おめでた、と聞いて祖父の目線がチラッとあがった。新聞に集中していると思いきや何気にこちらの話も聞いているようだ。
「ち、違うよ、そんなんじゃなくて……むしろ、そういうこと、ないし……」
だんだん尻すぼみになっていく言葉と同時に視線も沈む。
「じゃあ、喧嘩でもしたの?」
「ううん」
じゃあ、いったいなんなの? と言いたげな祖母に私は観念することにして、結婚したけれど、本当に夫婦と言えるのか自信がなくなっている。ということをポツポツと話した――。
「……それに、高城さん、前から思っていたんだけれど、なんとなく、私のことを以前から知っているような気がするの」
新聞を読んでいる祖父の肩が一瞬、ピクリと動いた。祖母も私の言葉に目を丸くしている。
「そんなわけないよね、だってあのパーティーで初めて会ったんだし、気のせいかな」
あはは、と笑ってうっかり重くなってしまった空気を掻き消すけれど、祖父母は顔を見合わせて黙りこくっている。その神妙な面持ちに、だんだん〝気のせいなんかじゃない〟という事実が私の目の前にチラついた。
やっぱり、おじいちゃんもおばあちゃんも何か隠してる。
浅見屋への嫌がらせも高城さんに話をして以来、妙な電話もファックスもパタッと来なくなった。高城さんは現在長期で出張中ですでに二週間不在だ。彼のいない部屋へ帰るのも気が滅入る。だから実家に泊まったりして気を紛らわせていた。そんな毎日を過ごしていたら、無意識に明るい気持ちも失せてしまい、祖母に言われるまで「元気がない」ことに気づかなかった。
「そんなことないんだけど……」
仕事終わり、店の奥にある座敷で祖父母と三人で座卓を囲む。祖父は指をなめながら新聞をめくって読むのに集中している。隣にいる祖母に浮かない顔を覗き込まれてなんとなく気まずい。
「あ、もしかして……小春、おめでたとかなんじゃない? 最近具合があまりよくないこともあったでしょう?」
おめでた、と聞いて祖父の目線がチラッとあがった。新聞に集中していると思いきや何気にこちらの話も聞いているようだ。
「ち、違うよ、そんなんじゃなくて……むしろ、そういうこと、ないし……」
だんだん尻すぼみになっていく言葉と同時に視線も沈む。
「じゃあ、喧嘩でもしたの?」
「ううん」
じゃあ、いったいなんなの? と言いたげな祖母に私は観念することにして、結婚したけれど、本当に夫婦と言えるのか自信がなくなっている。ということをポツポツと話した――。
「……それに、高城さん、前から思っていたんだけれど、なんとなく、私のことを以前から知っているような気がするの」
新聞を読んでいる祖父の肩が一瞬、ピクリと動いた。祖母も私の言葉に目を丸くしている。
「そんなわけないよね、だってあのパーティーで初めて会ったんだし、気のせいかな」
あはは、と笑ってうっかり重くなってしまった空気を掻き消すけれど、祖父母は顔を見合わせて黙りこくっている。その神妙な面持ちに、だんだん〝気のせいなんかじゃない〟という事実が私の目の前にチラついた。
やっぱり、おじいちゃんもおばあちゃんも何か隠してる。



