「おばあちゃん、これ、なんなの?」
「はぁ、また来てたのね」
気まずそうに私から視線をそらし、かといって誤魔化しても仕方がないと思ったのか祖母がため息交じりに口を開いた。
「たぶん、SNSとか口コミで以前よりお店が有名になってきたせいよ、たびたび電話やファックスでこういうことあるの、単なるやっかみよ気にしてないわ」
「でも、嫌がらせをされてたらちゃんと警察に届けなきゃ」
「そうね、でもただ嫌がらせされてるってだけで、誰からかわからないからねぇ」
力なく笑う祖母から警察に届けてもしょうがない。という諦めの気持ちが伝わってくる。
「小春、もういいから忘れなさい」
「う、うん……」
そうは言いつつも、私はその送られてきたファックス用紙をポケットに突っ込んだ。
はぁ、いったい誰がこんなことを?
しわしわのファックス用紙に書かれている誹謗中傷を何度も見返すたび、一生懸命仕事に励む祖父母の姿が浮かんできて涙が出そうになる。
仕事を終え、マンションに帰宅すると案の定、高城さんはいなかった。以前まではいつ頃仕事が終わって何時には帰宅できそうだとかメッセージがあった。でも今は、その予測もつかないようで彼とのやりとりも必然的に減っていった。
椅子に座りテーブルに頬杖をつきながらファックス用紙を眺める。綺麗とも汚いとも言えない特徴の掴めない筆跡だ。男性なのか女性なのかもそこからは窺えなかった。
高城さんに言うべき? でも彼も忙しい、きっとこんなことにかまけている暇はない。
どうしよう……。
「はぁ、また来てたのね」
気まずそうに私から視線をそらし、かといって誤魔化しても仕方がないと思ったのか祖母がため息交じりに口を開いた。
「たぶん、SNSとか口コミで以前よりお店が有名になってきたせいよ、たびたび電話やファックスでこういうことあるの、単なるやっかみよ気にしてないわ」
「でも、嫌がらせをされてたらちゃんと警察に届けなきゃ」
「そうね、でもただ嫌がらせされてるってだけで、誰からかわからないからねぇ」
力なく笑う祖母から警察に届けてもしょうがない。という諦めの気持ちが伝わってくる。
「小春、もういいから忘れなさい」
「う、うん……」
そうは言いつつも、私はその送られてきたファックス用紙をポケットに突っ込んだ。
はぁ、いったい誰がこんなことを?
しわしわのファックス用紙に書かれている誹謗中傷を何度も見返すたび、一生懸命仕事に励む祖父母の姿が浮かんできて涙が出そうになる。
仕事を終え、マンションに帰宅すると案の定、高城さんはいなかった。以前まではいつ頃仕事が終わって何時には帰宅できそうだとかメッセージがあった。でも今は、その予測もつかないようで彼とのやりとりも必然的に減っていった。
椅子に座りテーブルに頬杖をつきながらファックス用紙を眺める。綺麗とも汚いとも言えない特徴の掴めない筆跡だ。男性なのか女性なのかもそこからは窺えなかった。
高城さんに言うべき? でも彼も忙しい、きっとこんなことにかまけている暇はない。
どうしよう……。



