「ようやく経営も右肩上がりになって来たな、これも小春の旦那のおかげだ」
高城さんと結婚して、祖父も『親戚付き合いになるなら』と高城クラウンホテルズとの契約に快く了承してくれた。それからホテルのショップの展開の仕方がよかったのか、浅見屋の商品が飛ぶように売れた。
追加追加の注文で、店で売る売り上げよりもホテルのショップのほうがいいくらいだった。そして祖父はホテルのショップには負けてられないな、と発破をかけられ毎日和菓子作りに励んでいる。
「お店の立ち退きの件もなくなったし、経営も安定してきて安心だね」
閉店時間になり、店じまいをしながら何気なく祖父に言う。
「え、あ、ああ、そうだな」
なにやらファックスから流れてきた用紙を手に取ってそれを眺めている。けれど、間違い送信だったのか祖父は丸めてゴミ箱へ捨てた。ファックスに気を取られてあまり私の言ったことが耳に入らなかったのか、なんとなく歯切れが悪い感じがした。
高城さんと結婚して、祖父も『親戚付き合いになるなら』と高城クラウンホテルズとの契約に快く了承してくれた。それからホテルのショップの展開の仕方がよかったのか、浅見屋の商品が飛ぶように売れた。
追加追加の注文で、店で売る売り上げよりもホテルのショップのほうがいいくらいだった。そして祖父はホテルのショップには負けてられないな、と発破をかけられ毎日和菓子作りに励んでいる。
「お店の立ち退きの件もなくなったし、経営も安定してきて安心だね」
閉店時間になり、店じまいをしながら何気なく祖父に言う。
「え、あ、ああ、そうだな」
なにやらファックスから流れてきた用紙を手に取ってそれを眺めている。けれど、間違い送信だったのか祖父は丸めてゴミ箱へ捨てた。ファックスに気を取られてあまり私の言ったことが耳に入らなかったのか、なんとなく歯切れが悪い感じがした。



