交際0日婚、冷徹ホテル王はかりそめ妻を溺愛で堕とす

高城さんの手が触れるたび、もっと欲しくなる。理性が欲に負けそうになる。

彼と身体を重ねたい。思い切り抱いて欲しい。

理性の糸が切れかかったそのとき、高城さんが身体を離し、私の頭にポンと手のひらをのせた。

「さ、もう休んだほうがいい、時間も遅いし明日も仕事だろう?」

「え、あ、はい……」

高城さんとのキスにいよいよこのときがやって来たんだ。熱い一夜を共にする日が……。と、心臓をドクンドクン言わせて覚悟を決めていたけれど、いきなりの想像と違う展開に思わずきょとんとなる。

期待していたのは私だけだったの?

そう思ったら、急に恥ずかしくなってきて思わず顔を伏せた。

「小春?」

「おやすみなさい!」

私は居たたまれなくなり、スクッとソファから立ち上がると自分の部屋に転がり込んだ。

拍子抜けしてると思われたかな……。

高城さんに抱かれている自分の姿をかき消して、はぁと大きく息を吐く。