そこで私はハッと気が付いた。木谷さんよりも先に浅見屋と交渉していたということにしておいて、これは横取りするなという高城さんの方便だ。
「高城クラウンホテルズが先に着手していた案件を木谷ホステルが不当に横取りした、なんて世間に広まったらどうなるだろうな?」
「くっ……おい、嘘をつくのも対外にしろよ」
「嘘? 証拠を見せてもいいが生憎そういった持ち合わせがないんだ。友人なら話せばわかると思っていたからな」
「友人? はっ、都合がいいときだけ俺は友人になるんだな。小春ちゃん、そいつは傲慢で嘘つきで昔からどうしようもない男なんだ。どうか騙されないで欲しい」
目尻をさげてこっちにおいでと言わんばかりに私に手を差し伸べる。私はその手をさっと避けるように高城さんに身を寄せた。するとそれを見た木谷さんは目を細め、チッと小さく舌打ちをした。
「女性に舌打ちなんて相変わらず失礼なやつだな」
「うるさいな」
「うるさいついでに言ってやる。浅見屋を立ち退かしてホテル建設の計画なんて、いったい誰の許可を得たんだ? お前の父親である社長と先日会食をしたんだが、なにも知らなかったみたいだぞ?」
木谷さんの父親は先代から引き継いて、現在は社長に就任している。高城クラウンホテルズと木谷ホテルズは確かライバル関係だけど、そんな社長と高城さんが顔見知りだったなんて意外だ。高城さんがそう言うと木谷さんの顔色がサッと青ざめた。
「高城クラウンホテルズが先に着手していた案件を木谷ホステルが不当に横取りした、なんて世間に広まったらどうなるだろうな?」
「くっ……おい、嘘をつくのも対外にしろよ」
「嘘? 証拠を見せてもいいが生憎そういった持ち合わせがないんだ。友人なら話せばわかると思っていたからな」
「友人? はっ、都合がいいときだけ俺は友人になるんだな。小春ちゃん、そいつは傲慢で嘘つきで昔からどうしようもない男なんだ。どうか騙されないで欲しい」
目尻をさげてこっちにおいでと言わんばかりに私に手を差し伸べる。私はその手をさっと避けるように高城さんに身を寄せた。するとそれを見た木谷さんは目を細め、チッと小さく舌打ちをした。
「女性に舌打ちなんて相変わらず失礼なやつだな」
「うるさいな」
「うるさいついでに言ってやる。浅見屋を立ち退かしてホテル建設の計画なんて、いったい誰の許可を得たんだ? お前の父親である社長と先日会食をしたんだが、なにも知らなかったみたいだぞ?」
木谷さんの父親は先代から引き継いて、現在は社長に就任している。高城クラウンホテルズと木谷ホテルズは確かライバル関係だけど、そんな社長と高城さんが顔見知りだったなんて意外だ。高城さんがそう言うと木谷さんの顔色がサッと青ざめた。



