『式や指輪の諸々は生活が落ち着いてからにしよう』
私、本当に結婚しちゃったんだ……。
身の回りのことが目まぐるしく変わって頭が追い付かない。高城さんとは以前からずっと付き合っていたような感覚さえ覚えるけれど、実際私たちは交際0日婚だ。それでもちゃんと式のことや指輪のことを考えてくれてるのが嬉しかった。
結婚して二週間。一緒に住む高級タワーマンションは実家とは比にならないくらい素敵なところだし、浅見屋の仕事も必要があれば高城さんお付きの秘書が車で送迎してくれる。食事もケータリングサービスを使えるし、洗濯物もマンションのコンシェルジュに依頼すればクリーニングに出してくれた。部屋も日当たりのいい十帖の部屋にベッド、ソファにクローゼットと私専用に用意してくれた。なんの不自由もない最高な贅沢な暮らし、なのになにかすっきりしないような何かが足りないような日々を過ごしていた。
とにかく高城さんは忙しい人だ。そんな中、時間を作ってくれて今夜は高城クラウンホテルズ最上階にあるフレンチレストラン〝シェ・リ〟でディナーをする予定だ。ホテル内に数店舗あるレストランの中でも、特にプロポーズや顔合わせなど、絶対に外せないような特別な日の食事の場として選ばれることも多い。しかも一流ホテルにあるレストランなだけあって、某ガイドブックのホテル部門でも最高の格付けを獲得している。そんなホテルのレストランで今夜食事をするなんていまだに信じられない、今まで平凡な一般人だった私の生活が一気にきらびやかになったような気がする。
「小春、おい、新婚だからってボケッとしてんじゃないぞ?」
「え、あ、はい! すみませんっ」
いけない仕事中だった。
私、本当に結婚しちゃったんだ……。
身の回りのことが目まぐるしく変わって頭が追い付かない。高城さんとは以前からずっと付き合っていたような感覚さえ覚えるけれど、実際私たちは交際0日婚だ。それでもちゃんと式のことや指輪のことを考えてくれてるのが嬉しかった。
結婚して二週間。一緒に住む高級タワーマンションは実家とは比にならないくらい素敵なところだし、浅見屋の仕事も必要があれば高城さんお付きの秘書が車で送迎してくれる。食事もケータリングサービスを使えるし、洗濯物もマンションのコンシェルジュに依頼すればクリーニングに出してくれた。部屋も日当たりのいい十帖の部屋にベッド、ソファにクローゼットと私専用に用意してくれた。なんの不自由もない最高な贅沢な暮らし、なのになにかすっきりしないような何かが足りないような日々を過ごしていた。
とにかく高城さんは忙しい人だ。そんな中、時間を作ってくれて今夜は高城クラウンホテルズ最上階にあるフレンチレストラン〝シェ・リ〟でディナーをする予定だ。ホテル内に数店舗あるレストランの中でも、特にプロポーズや顔合わせなど、絶対に外せないような特別な日の食事の場として選ばれることも多い。しかも一流ホテルにあるレストランなだけあって、某ガイドブックのホテル部門でも最高の格付けを獲得している。そんなホテルのレストランで今夜食事をするなんていまだに信じられない、今まで平凡な一般人だった私の生活が一気にきらびやかになったような気がする。
「小春、おい、新婚だからってボケッとしてんじゃないぞ?」
「え、あ、はい! すみませんっ」
いけない仕事中だった。



