交際0日婚、冷徹ホテル王はかりそめ妻を溺愛で堕とす

『あ、小春? もう! 何度も電話したんだよ? いきなり会場からいなくなっちゃってさぁ、探したんだから』

「ご、ごめんね」

プリプリ怒りながら電話をかけてきたのは芽衣からだった。

そうだ、私は昨日、高城クラウンホテルズ主催のパーティーに芽衣と出席して、気分が悪くなったから会場を出て化粧室に行こうとしたんだよね?

そこから記憶が曖昧だ。芽衣に何も言わずに会場を離れてしまったのだから怒るのも無理はない。

『小春、昨日どうしたの? なにかあった?』

「芽衣、ほんとごめん」

『ごめんじゃわからないわよ、もしかしてなにか嫌なことがあった?』

ううん、そうじゃないの、私はスマホを手にしながらブンブンと首を振った。はっきりしない物言いに芽衣のイラつきが伝わってくる。
知らない部屋で寝かされてた。なんて言ったら芽衣は顔色変えて心配するだろう。「今どこにいるの?」「迎えに行くから場所教えて!」なんて言われても、私自身何がどうなってるのかわかっていない。

「昨日、あれから少し具合が悪くなっちゃってね……」

芽衣を探す気力もなくて申し訳なかったけれど先に帰宅した。半分本当で半分嘘の混じった説明をすると、電話口の向こうで少しホッとしたような短いため息が聞こえた。何とか無事だということをわかってもらって電話を切る。

そうよ、こんな場所……どうやって説明すればいいの⁉