「僕と小春ちゃん、もう長い付き合いだろう? 実を言うと……僕も君が好きなんだ。友達以上の感情でね」
いきなりの展開に頭の中で情報処理が追いつかない。長い付き合いといってもたかだか一年程度の顔見知りだ。ましてや仮に恋人がいたとしてもわざわざ紹介なんてするほど仲がいいわけじゃない。
丸くしながら目をパチパチしていると木谷さんが眉尻を下げて、はぁと小さくため息をついた。
「あぁ、告白する前に付き合ってる男がいるって知ってショックだ……君のことずっと気になってた。だからせめてどんなやつなのか知りたい」
木谷さんってどこまで自分勝手な人なの? ん? でもちょっと待って、この状況……もしかしたら使えるかも?
私はふと浮かんだアイデアが吉と出るか凶と出るかにかけてみることにした。
「木谷さん、じゃあ、彼を紹介したら立ち退きの件は諦めてくれますか?」
今まで私が目を瞬かせてばかりだったけれど、今度は木谷さんが面食らったような顔をする番だ。
「へぇ、そう来るか……その話が本当なら、考えよう」
「きゃっ!」
彼は絶句した表情をしたかと思えばフッと口元に笑みを浮かべた。そしてスッと私の胸元のネクタイピンに手を伸ばしたかと思うと、そのままそれを乱暴に掴んで引きちぎった。
「な、なにす――」
「楽しみにしてるよ、君にこんなものは似合わない」
木谷さんは投げ捨てるようにチェーンの切れたネクタイピンをテーブルの上に置いた。
ひどい……。
私は彼の傲慢な態度に押し負けまいと必死に唇を噛みしめた。
いきなりの展開に頭の中で情報処理が追いつかない。長い付き合いといってもたかだか一年程度の顔見知りだ。ましてや仮に恋人がいたとしてもわざわざ紹介なんてするほど仲がいいわけじゃない。
丸くしながら目をパチパチしていると木谷さんが眉尻を下げて、はぁと小さくため息をついた。
「あぁ、告白する前に付き合ってる男がいるって知ってショックだ……君のことずっと気になってた。だからせめてどんなやつなのか知りたい」
木谷さんってどこまで自分勝手な人なの? ん? でもちょっと待って、この状況……もしかしたら使えるかも?
私はふと浮かんだアイデアが吉と出るか凶と出るかにかけてみることにした。
「木谷さん、じゃあ、彼を紹介したら立ち退きの件は諦めてくれますか?」
今まで私が目を瞬かせてばかりだったけれど、今度は木谷さんが面食らったような顔をする番だ。
「へぇ、そう来るか……その話が本当なら、考えよう」
「きゃっ!」
彼は絶句した表情をしたかと思えばフッと口元に笑みを浮かべた。そしてスッと私の胸元のネクタイピンに手を伸ばしたかと思うと、そのままそれを乱暴に掴んで引きちぎった。
「な、なにす――」
「楽しみにしてるよ、君にこんなものは似合わない」
木谷さんは投げ捨てるようにチェーンの切れたネクタイピンをテーブルの上に置いた。
ひどい……。
私は彼の傲慢な態度に押し負けまいと必死に唇を噛みしめた。



