「ふぅん、変わったネックレスだね。それ、ネクタイピンだろう?」
木谷さんに会って話をする。本当は心細くてなにかに頼りたくて仕方がなかった。もしうまくいかなかったら? なんて悶々と考えているうちに私は無意識にこのネックレスにしたネクタイピンをお守り代わりに身に着けていた。胸元に入れて隠しておいたはずだけど、ふらついた拍子に出てきてしまったようだ。
男性もののアイテムをなぜ私が持っていて、しかもネックレスにして身につけているのか? 先ほどまでのニコニコ顔はすっかり消え失せ、木谷さんの表情は怪訝そのもので、私に向けられる目もなんだか穏やかじゃない。
「これ、実は彼氏のなんです」
「え?」
「私、今、付き合ってる人がいて、その彼からもらったんです。ネクタイをするわけじゃないからこうして身につけてるんです」
とっさに頭に思いついた言い訳が吉と出るか凶と出るか、〝彼氏からもらった〟と聞いて疑心暗鬼の木谷さんの目を私は一寸も逸らさず見つめ返す。本当はすぐにでもそらしたくてたまらないけれど、嘘を見透かされるのが怖かった。
「彼氏、ねぇ」
木谷さんは腕と足を組んで椅子にふんぞり返るように背もたれに身体を倒した。結婚を申し出た相手に実は恋人がいたなんて聞いたからさぞかし木谷さんは不愉快なのだろう。
「小春ちゃん、男いたの?」
どうせ恋人なんかいないだろうという前提なのもどうかと思うけれど、まるで馬鹿にしたような口ぶりに私はムッとする。
「そ、そうなんですよ、ずっと友達だったんですけどこの前告白されて、私もなんとなく気になってたから、ラブラブでお互い結婚も意識してて――」
「ふぅん、じゃあ、一ヵ月以内に僕に紹介してくれないかな?」
「は?」
今、なんて?
木谷さんに会って話をする。本当は心細くてなにかに頼りたくて仕方がなかった。もしうまくいかなかったら? なんて悶々と考えているうちに私は無意識にこのネックレスにしたネクタイピンをお守り代わりに身に着けていた。胸元に入れて隠しておいたはずだけど、ふらついた拍子に出てきてしまったようだ。
男性もののアイテムをなぜ私が持っていて、しかもネックレスにして身につけているのか? 先ほどまでのニコニコ顔はすっかり消え失せ、木谷さんの表情は怪訝そのもので、私に向けられる目もなんだか穏やかじゃない。
「これ、実は彼氏のなんです」
「え?」
「私、今、付き合ってる人がいて、その彼からもらったんです。ネクタイをするわけじゃないからこうして身につけてるんです」
とっさに頭に思いついた言い訳が吉と出るか凶と出るか、〝彼氏からもらった〟と聞いて疑心暗鬼の木谷さんの目を私は一寸も逸らさず見つめ返す。本当はすぐにでもそらしたくてたまらないけれど、嘘を見透かされるのが怖かった。
「彼氏、ねぇ」
木谷さんは腕と足を組んで椅子にふんぞり返るように背もたれに身体を倒した。結婚を申し出た相手に実は恋人がいたなんて聞いたからさぞかし木谷さんは不愉快なのだろう。
「小春ちゃん、男いたの?」
どうせ恋人なんかいないだろうという前提なのもどうかと思うけれど、まるで馬鹿にしたような口ぶりに私はムッとする。
「そ、そうなんですよ、ずっと友達だったんですけどこの前告白されて、私もなんとなく気になってたから、ラブラブでお互い結婚も意識してて――」
「ふぅん、じゃあ、一ヵ月以内に僕に紹介してくれないかな?」
「は?」
今、なんて?



