交際0日婚、冷徹ホテル王はかりそめ妻を溺愛で堕とす

――ママー! 

――こらこら、走ったら危ないだろう?

――ふふ、私、またここに来られてよかったです。だって――。

「ん……っ」

白いカーテンの向こうから差し込む柔らかな光が、そっと私の頬を撫でたような気がして瞼が小さく震えた。夢か現実かわからないまま、胸に残るのは淡いぬくもりだった。

私は夢を見ていていた。こんなに温かな気持ちで目覚めるのだから、きっと幸せな夢だったのだろう。

「小春、起きたか?」

「湊さん……」

うっすら目を開けると、湊さんが肩ひじ枕で昨夜と同じ優しい眼差しを向け、私を見つめていた。

それだけで、胸の奥がキュッと締め付けられるようだった。

「身体、大丈夫か?」

そっと触れ合う素肌に、昨夜の記憶が鮮やかによみがえってくる。

「はい、平気です」

恥ずかしいのに嬉しくて、言葉にならない気持ちがベッドの上で私を包み込む。まだ心臓が昨夜の続きを望んでいるみたいに高鳴っていた。

「小春、見てごらん」

その言葉に導かれてゆっくりと顔を上げる。

「わぁ、綺麗」