「小春のお父様、浅見幸一(こういち)さんは年が離れていても、俺の大事な友人のひとりだった」
大きな窓ガラスに映る彼の表情は、どことなく切なげでいまだに苦しみを抱えているようにも見えた。
私の父は旅行雑誌のライターで、おすすめのホテルやレストランの特集記事を書いていた。湊さんの話によると、父は個人的に高城クラウンホテルズがお気に入りだったようで、湊さんともよく一緒に仕事をしたり、家族ぐるみで懇意にしていたという。そして湊さんのお父様が新しくオープンさせた高城クラウンホテルズ系列のホテルに両親を招待したところ、不慮の事故に遭ってしまった。
「不慮の事故だとわかっていても、父が招待なんかしなければ、と怒りの矛先を父に向けたこともあった。本当は今でも後悔している」
まさか、あの時あんなことになるなんて誰が想像できただろうか。
『お父さん、お母さん、夫婦水いらずで楽しんできてね』
『小春、本当に一緒に行かなくていいのか?』
『何かあったらすぐに連絡するのよ』
両親はひとり置いていく私を心配しつつも、久しぶりの旅行にわくわくしていた。
「湊さん、父も母もきっと後悔はしていないと思います。それに、誰のせいだなんて思ってない。湊さんのお父様だって、ただ両親に楽しい時間を過ごしてもらいたかっただけなんです」
私は湊さんの手を握った。彼の手はいつだって温かい。それが人柄にも表れている。
大きな窓ガラスに映る彼の表情は、どことなく切なげでいまだに苦しみを抱えているようにも見えた。
私の父は旅行雑誌のライターで、おすすめのホテルやレストランの特集記事を書いていた。湊さんの話によると、父は個人的に高城クラウンホテルズがお気に入りだったようで、湊さんともよく一緒に仕事をしたり、家族ぐるみで懇意にしていたという。そして湊さんのお父様が新しくオープンさせた高城クラウンホテルズ系列のホテルに両親を招待したところ、不慮の事故に遭ってしまった。
「不慮の事故だとわかっていても、父が招待なんかしなければ、と怒りの矛先を父に向けたこともあった。本当は今でも後悔している」
まさか、あの時あんなことになるなんて誰が想像できただろうか。
『お父さん、お母さん、夫婦水いらずで楽しんできてね』
『小春、本当に一緒に行かなくていいのか?』
『何かあったらすぐに連絡するのよ』
両親はひとり置いていく私を心配しつつも、久しぶりの旅行にわくわくしていた。
「湊さん、父も母もきっと後悔はしていないと思います。それに、誰のせいだなんて思ってない。湊さんのお父様だって、ただ両親に楽しい時間を過ごしてもらいたかっただけなんです」
私は湊さんの手を握った。彼の手はいつだって温かい。それが人柄にも表れている。



