初めて誰かを好きになったのは、高校一年生のころだったと思う。相手は、同じクラスの 渡真利渉君。私にとって、気を許せる唯一の男の子だった。クラスのみんなにバレないように放課後わざわざ学校からかなり離れた公園で待ち合わせしておしゃべりをしたり、ファストフード店で勉強したり、毎日メッセージのやりとりをしてた。私は渡真利君のことをいいなと思っていたけど、居心地のいい関係を壊したくなくて、なにもしなかった。そういう曖昧な関係でも、毎日が本当に楽しかった。……だけど。
「福、お父さんが……」
お母さんの青ざめた顔。
あの日から、私の毎日は変わってしまった。渡真利君には、私の気持ちどころかありがとうもさようならも伝えられないまま、私は東京を離れることになった。
「福、お父さんが……」
お母さんの青ざめた顔。
あの日から、私の毎日は変わってしまった。渡真利君には、私の気持ちどころかありがとうもさようならも伝えられないまま、私は東京を離れることになった。

