同じ頃、敵の基地で目が覚めたガラちゃんは、とてつもなく怒っていた。

 「あんた誰!?ここは何!?みゆはどこよ!?」
 「そんなに怒らないでよ。ぼくは一応、キミを助けたんだよ」

 ガラちゃんを助けた男の子は必死でなだめるが、ガラちゃんは納得しない。

 台座の上に置かれた透明なケースに入れられたガラちゃんは、猛然と抗議した。

 「助けたのなら、なんでガラちゃんを檻に閉じ込めるのよ!うそつき!」
 「閉じ込めたんじゃないよ。キミはとても弱っているから、お医者さんがこの中に入れたほうが安全だって決めたんだよ」

 男の子は困った顔で説明したが、やっぱりガラちゃんは納得しない。

 「みゆはとっても強いんだから!みゆがいたら、あんたなんか、コテンパンなんだから!」
 「みゆって、一緒にいた女の子のこと?あの子なら」

 男の子はみゆのことを話そうとしたが、ガラちゃんには言わないほうがいい気がした。

 「何よ、みゆがどうかしたの?」
 「いいや、どうもしないよ。それより、まだ自己紹介してなかったね。僕はカイトっていうんだ。司令官からガラちゃんの世話を命じられてるんだよ。だからなんでもぼくに、遠慮なく言ってよ」

 カイトは明るく話しかけるが、ガラちゃんは聞いていない。

 「みゆ!ガラちゃんはココだよ!!早くお迎えにきてぇ~!!」と叫んでいた。