5年間、ずっと考えていた。

 あの男の子にもう一度会いたい……。

 なんで来なかったの?

 お腹が痛くなったの?家の人に一緒に遊んじゃ駄目って言われたの?

 また泣いていないか心配……。

 知らない子と遊んじゃ駄目って言われたの?

 女の子と遊んじゃ駄目って言われたの?

 私と遊んだから叱られたの?だからいなくなったの……?

 「ずっと、私のせいであの男の子は浜辺に来られなくなったと思っていた……。なのに、本当は……」
 「どうしたの?みゆ?」
 「ガラちゃん!その女王って、ろくなヤツじゃないよ!!何が救世女王よ!あの子に何したのよ!?」
 「救世女王は地上から来た、みゆのことよ」
 「ガラちゃん!アデラールのお家がどこか知ってる!?」
 「行ってみるの?」
 「うん!何か手がかりを探してみる!そしてアデラールがあの日の男の子か、確認してみる!もし、違っていても……」
 「違っていても?」
 「アデラールを探し出して、ガラちゃんを宝石の中から出す方法を聞いてみる!だから、安心していいよ、ガラちゃん!!」
 「みゆ……。うん!ありがとう!!みゆも安心していいよ!ガラちゃんがアデラールのお家に案内してあげる!!」

 ガラちゃんはうれしそうに歓声を上げると、みゆも深くうなづいた。

 そして、ガラティアラを頭にのせると巨人の杖を右手ににぎりしめ、勢いよく立ち上がった。

 みゆは部屋をずんずん歩いて、ノエルが待つドアを思い切り開けた。