(ミシュリーヌお姉様はまっすぐだからそう考えてもおかしくない……絶対、そうだわ。わたくしがレダー公爵を好きだと思っているのね)
そう気づいた瞬間、クロエは青ざめていく。
そう思ったのと同時に、ミシュリーヌの今までの言葉や態度がすべてが噛み合っているような気がした。
(わ、わたくしが死ぬほど愛しているのはミシュリーヌお姉様だけなのに……)
クロエからミシュリーヌという女神を突然掻っ攫っていったオレリアン。
そんな彼には怒りと苛立ちが募っていく。
(あの顔は間違いありませんわ。ミシュリーヌお姉様のことが好きなのよ……!)
彼とミシュリーヌが出会って話しているところをクロエは見たことがない。
なんせミシュリーヌが推し活を始めてからはクロエは必ずそばにいたからだ。
推しを一生懸命応援するミシュリーヌから片時も目が離せない。
可愛くて可愛くて仕方がないのだ。
それなのにオレリアンは初めからミシュリーヌに優しい目を向けていた。
それにタイミング悪くミシュリーヌの前で体調を崩したせいで、ますますミシュリーヌに惚れ込んでいるではないか。
侍女に何度も止められていたクロエだが、部屋に二人きりでいさせることなど許せない。
嫉妬で頭が爆発してしまいそうになっていた。
今でもオレリアンを消し炭にしてやりたいと思う……絶対にできないが。
クロエは可愛らしく首を傾げるミシュリーヌを見た。



