大きく変わったのは気持ち悪いくらいに周囲に優しくなったこと。
それと健康に異常に執着するようになったことだ。
誰かが体調を崩すのを極端に嫌い、症状が治るまで自分のことのように苦しそうにしていた。
世話を甲斐甲斐しくやいて、まるで侍女のように動き回っていたのだ。
クロエに突然優しくなったミシュリーヌを最初は警戒していた。
けれど風邪を拗らせて苦しんでいた時、ずっとそばにいて励ましてくれたのだ。
それからもクロエが令嬢に絡まれていれば、すぐに庇い立てにきた。
愛魔法などと可愛らしい言葉でまとめてはいるが、クロエにとっては最悪の呪いだった。
愛など恐ろしくて欲がまとわりつくおぞましいものだ。
容姿も相俟って、クロエにまとわりつく欲望は心を疲弊させていく。
クロエに笑顔で近づいてくる奴らはみんな同じことを言う。
『あの人にわたしを好きにさせて!』
『ボクをみんなからモテるようにしてくれよ』
皆、魔法を使って、誰かの愛情を得ようとする浅ましい奴らばかり。
そもそも人の心を操ることは禁忌だ。
クロエはそういった魔法を使うことを禁じられていた。
当たり前の話だ。そんな魔法ばかり使っていたら国が傾いてしまう。
(気持ち悪い。愛魔法は呪いの魔法よ……人をおかしくさせる)
それと健康に異常に執着するようになったことだ。
誰かが体調を崩すのを極端に嫌い、症状が治るまで自分のことのように苦しそうにしていた。
世話を甲斐甲斐しくやいて、まるで侍女のように動き回っていたのだ。
クロエに突然優しくなったミシュリーヌを最初は警戒していた。
けれど風邪を拗らせて苦しんでいた時、ずっとそばにいて励ましてくれたのだ。
それからもクロエが令嬢に絡まれていれば、すぐに庇い立てにきた。
愛魔法などと可愛らしい言葉でまとめてはいるが、クロエにとっては最悪の呪いだった。
愛など恐ろしくて欲がまとわりつくおぞましいものだ。
容姿も相俟って、クロエにまとわりつく欲望は心を疲弊させていく。
クロエに笑顔で近づいてくる奴らはみんな同じことを言う。
『あの人にわたしを好きにさせて!』
『ボクをみんなからモテるようにしてくれよ』
皆、魔法を使って、誰かの愛情を得ようとする浅ましい奴らばかり。
そもそも人の心を操ることは禁忌だ。
クロエはそういった魔法を使うことを禁じられていた。
当たり前の話だ。そんな魔法ばかり使っていたら国が傾いてしまう。
(気持ち悪い。愛魔法は呪いの魔法よ……人をおかしくさせる)



