「ミシュリーヌ嬢、手紙の内容なんだが……」


食後の紅茶を飲みながら、オレリアンが言うとミシュリーヌはまたもや予想外の言葉を発する。


「その件ですが健康になってきてから出直してきてください!」

「お、おいっ、ミシュリーヌッ」

「何言ってるんだ!」


後ろからシューマノン子爵とエーワンが焦ったようにミシュリーヌの口を塞いだ。
子爵家の仲はレダー公爵家とは違ってかなりいいように見えた。


「いや、構わない」


オレリアンがそう言うと、エーワンはそっとミシュリーヌの口元から手を離す。


「体調を整えてから改めて誘わせてもらう」

「はい、そうしてください!」


にっこりと笑うミシュリーヌに気分が華やいでいく。
こんな気持ちになったのは生まれて初めてのことだった。