ミシュリーヌは苦しいのか、腕をバタバタと動かして解放を訴えかけている。
それに気づいたクロエは、一瞬でいつもの表情に戻った。
「ごめんなさい。ミシュリーヌお姉様と離れるのが寂しくて……」
「もう……クロエは甘えん坊よね。でもレダー公爵の前よ。離れてちょうだい」
「……はぁい」
わずかに低くなった声とこちらを責め立てるような視線に居心地の悪さを感じていた。
どうやらオレリアンは知らぬ間にクロエに嫌われていたらしい。
だが、オレリアンも彼女に苦手意識を持っていた。
彼女は明らかにミシュリーヌを好いているようだ。しかも過剰に。
侍女が何かをミシュリーヌに耳打ちしていたが、オレリアンは迷惑をかけたことが申し訳ないと思い、すぐに起き上がった。
「ミシュリーヌ嬢、すぐに……」
「はい、大丈夫ですよ。安心してください」
すぐにここから出ていく、迷惑をかけてすまなかったと言おうと思っていたのに返ってきたのは予想外の返事だった。
何が大丈夫なのか、何を安心していいのかわからずに固まっていた。
こんな時、すぐに言葉が出てこない自分が嫌になる。
それに気づいたクロエは、一瞬でいつもの表情に戻った。
「ごめんなさい。ミシュリーヌお姉様と離れるのが寂しくて……」
「もう……クロエは甘えん坊よね。でもレダー公爵の前よ。離れてちょうだい」
「……はぁい」
わずかに低くなった声とこちらを責め立てるような視線に居心地の悪さを感じていた。
どうやらオレリアンは知らぬ間にクロエに嫌われていたらしい。
だが、オレリアンも彼女に苦手意識を持っていた。
彼女は明らかにミシュリーヌを好いているようだ。しかも過剰に。
侍女が何かをミシュリーヌに耳打ちしていたが、オレリアンは迷惑をかけたことが申し訳ないと思い、すぐに起き上がった。
「ミシュリーヌ嬢、すぐに……」
「はい、大丈夫ですよ。安心してください」
すぐにここから出ていく、迷惑をかけてすまなかったと言おうと思っていたのに返ってきたのは予想外の返事だった。
何が大丈夫なのか、何を安心していいのかわからずに固まっていた。
こんな時、すぐに言葉が出てこない自分が嫌になる。



