「お詫びといってはなんだが、この件はすぐにでも対応したい。ミシュリーヌ嬢、予定を聞いてもいいだろうか?」
「ですが……」
すぐに対応してくれるのは嬉しいが、ミシュリーヌはどうしようもなく気になることがあった。
(レダー公爵、今にも倒れてしまいそう……)
オレリアンの顔色が悪いことが気になって仕方ない。
それにオレリアンは騎士団の格好のままだし、剣も携えていた。
艶のある真っ黒なブーツは白いパンツによく映える。
赤いラインと金色のボタンは第一騎士団の証。
ちなみに第二騎士団は青ラインと銀色のボタン、第三騎士団は黄色のラインと銅色のボタンが使われて制服が作られている。
どうやら彼は騎士団の仕事を終えた後、レダー公爵邸でミシュリーヌの手紙を読んですぐにここに来てくれたようだ。
「ミシュリーヌお姉様、レダー公爵を帰……っ!」
「……クロエ?」
「んぅ──!?」
クロエが立ち上がったのと同時に、何かを感じとった侍女たちが彼女の両腕を掴み、部屋の外へと促していく。
「シューマノン子爵家のためですから!」
「いざという時にエーワン様にこうするように許可は得てますからっ」
それからクロエの口元を押さえられながら去って行ってしまう。



