推し活スポンサー公爵との期限付き婚約生活〜溺愛されてるようですが、すれ違っていて気付きません〜

「大丈夫よ、ジョゼフ。クロエならわたしが守るから安心して!」

「……うーん、今はそういうことにしておこうか。あとでクロエに手紙を書くから渡してくれ」

「わかったわ」


ジョゼフは再びため息を吐くと頷いた。


「レダー公爵と直接会って、ミシュリーヌはどう思ったの?」

「どうって……?」


ミシュリーヌはオレリアンの姿を思い出して首を傾げた。
オレリアンと対峙して思ったことは推し活のスポンサーになってくれた喜びと、今にも体調を崩しそうな顔色の悪さだ。


「顔色が悪かったから休んで欲しかったわ!」

「レダー公爵を見てこんな反応をする令嬢がいるなんて思わなかった」


ジョゼフは降参とでもいうようにヒラヒラと手を挙げる。
彼はもうオレリアンの話に飽きたのか、侍女に指示を出す。
あるものを持ってきた侍女たち見てミシュリーヌは立ち上がり駆け寄った。

黄色の生地に美しいオレンジ色の名前の刺繍。
星の模様がいくつか散りばめられているではないか。


「す、素晴らしい出来栄えだわ……!」

「そうでしょう? かなりこだわったんだ」

「これは注文が殺到するでしょうね!」


新しいグッズは推しの名前や色を使ったタオルだ。
ジョゼフは自慢げに笑っていたが、あることを口にする。