頷くミシュリーヌに、マリアンとサラとエマは動きを止めて目を見張っている。
しかしすぐにこちらを指さして責めるように声を上げた。
「た、たかが子爵令嬢の分際でオレリアン様の婚約者に相応しくないわ! 今すぐに婚約者の座をおりなさいっ」
「…………」
「ちょっとあなた聞いているの!?」
ミシュリーヌはマリアンに責め立てられながら目を見開いた。
(本物の悪役令嬢みたいだわ……)
呑気に考えていると、さらに甲高くなる声。
どうやら昨日の今日で情報を仕入れたマリアンはミシュリーヌを待ち構えていたようだ。
けれどミシュリーヌの頭は推し活のことでいっぱいだった。
(もうすぐ練習が始まっちゃう。モアメッド様の勇姿が……っ!)
今は一分一秒が惜しいではないか。
同じモアメッドはもういない。アーカイブもないので見逃せば終わりである。
血走った目でマリアンが話終わるのを待つものの、まったく攻撃が終わらない。
それからミシュリーヌの口から、一年後に婚約を解消するので気にしなくても大丈夫とは言えはしない。
それにその後に結婚するクロエのためにも、この方がいいかもしれないと、早めにわかってもらった方がいいだろう。
ミシュリーヌはマリアンに早口であることを伝える。
「マリアン様、この件はわたしではなくレダー公爵にお話してくださいますか?」
「はぁ……!?」
マリアは大きく目を見開いた。
しかしすぐにこちらを指さして責めるように声を上げた。
「た、たかが子爵令嬢の分際でオレリアン様の婚約者に相応しくないわ! 今すぐに婚約者の座をおりなさいっ」
「…………」
「ちょっとあなた聞いているの!?」
ミシュリーヌはマリアンに責め立てられながら目を見開いた。
(本物の悪役令嬢みたいだわ……)
呑気に考えていると、さらに甲高くなる声。
どうやら昨日の今日で情報を仕入れたマリアンはミシュリーヌを待ち構えていたようだ。
けれどミシュリーヌの頭は推し活のことでいっぱいだった。
(もうすぐ練習が始まっちゃう。モアメッド様の勇姿が……っ!)
今は一分一秒が惜しいではないか。
同じモアメッドはもういない。アーカイブもないので見逃せば終わりである。
血走った目でマリアンが話終わるのを待つものの、まったく攻撃が終わらない。
それからミシュリーヌの口から、一年後に婚約を解消するので気にしなくても大丈夫とは言えはしない。
それにその後に結婚するクロエのためにも、この方がいいかもしれないと、早めにわかってもらった方がいいだろう。
ミシュリーヌはマリアンに早口であることを伝える。
「マリアン様、この件はわたしではなくレダー公爵にお話してくださいますか?」
「はぁ……!?」
マリアは大きく目を見開いた。



