推し活スポンサー公爵との期限付き婚約生活〜溺愛されてるようですが、すれ違っていて気付きません〜

ジョゼフはそのことでミシュリーヌに感謝してくれていて、友人兼ビジネスパートナーだ。

今となってはジョゼフがいなければ推し活はできないと言っても過言ではない。
それほどジョゼフの転写魔法は推し活にとって素晴らしいものなのだ。

貴族でなくとも買える手頃な値段は平民の女性たちにも大人気。
なんせ布に転写するだけの高コスパ。
今や第二騎士団の公開練習はアイドルコンサート並みに盛り上がっていた。

ミシュリーヌも公開練習では毎回、推しカラーのドレスを着ていく。
貴族たちは魔法属性によって髪や瞳の色が同じなので、推しカラーもわかりやすいのも乙女心をくすぐるため推し活を後押ししてくれている。
ミシュリーヌは推し活グッズを壊れないようにと梱包しながら、丁寧にバックに詰め込んでいく。

(ジョゼフにレダー公爵がスポンサーになってくれたって伝えないと……! きっと今までできなかったものが作れると大喜びでしょうね)

ミシュリーヌはどこまでもポジティブだった。
それは健康な体で自由な人生を楽しみたいという気持ちが大きいからだ。
後悔で押し潰されそうになっていた前世。
今世はご褒美なのかもしれない。悪役令嬢ミシュリーヌの過去は精算して自由に推し活を楽しもうではないか。

(ミシュリーヌの人生で絶対に後悔なんてしないわ!)

ミシュリーヌはドレスやワンピースなどよりも、推し活グッズでカバンがパンパンになってしまう。