クロエがまったくレダー公爵に微塵たりとも気持ちが傾いておらず、むしろ敵視していることにまったく気が付かないミシュリーヌ。
逆にクロエもまさか自分がミシュリーヌにレダー公爵に嫁ぎたいと思われているなど一切考えていなかった。
大好きなミシュリーヌが婚約したことが嬉しくはあるのだが、嫉妬を抑えられないクロエ。
大きなすれ違いが起きていることなど二人は気づかないまま体を離す。
「ミシュリーヌお姉様が誰かのものになるなんて……わたくし、本当に寂しいですわ」
「今までと何も変わらないわ」
「……嫉妬で頭がおかしくなりそう」
「え……?」
「なんでもありませんわ」
一年後に婚約を解消するのだから何も変わらないだろう。
評判のいいレダー公爵のことだ。
婚約を解消したとしても、きっといい嫁ぎ先を紹介してくれるに違いない。
「ミシュリーヌお姉様は婚約しても推し活を続けるのですか?」
本来、婚約者がいるのに推し活を続けるのは他国なら微妙なラインなのだがベガリー王国の騎士団は別。
彼らのアイドル的な人気は昔からで、国内外からも注目を浴びるほど。
王妃も第二騎士団の団長を推していることも有名だ。
ミシュリーヌも王妃とは推し活仲間である。
つまりファンクラブ的な立ち位置のものが推し活に変わったということだ。
(この国に騎士団があってよかったわ! 元々、ファンクラブがずっとあるくらいだし令嬢たちは受け入れるのも早いわよね)
逆にクロエもまさか自分がミシュリーヌにレダー公爵に嫁ぎたいと思われているなど一切考えていなかった。
大好きなミシュリーヌが婚約したことが嬉しくはあるのだが、嫉妬を抑えられないクロエ。
大きなすれ違いが起きていることなど二人は気づかないまま体を離す。
「ミシュリーヌお姉様が誰かのものになるなんて……わたくし、本当に寂しいですわ」
「今までと何も変わらないわ」
「……嫉妬で頭がおかしくなりそう」
「え……?」
「なんでもありませんわ」
一年後に婚約を解消するのだから何も変わらないだろう。
評判のいいレダー公爵のことだ。
婚約を解消したとしても、きっといい嫁ぎ先を紹介してくれるに違いない。
「ミシュリーヌお姉様は婚約しても推し活を続けるのですか?」
本来、婚約者がいるのに推し活を続けるのは他国なら微妙なラインなのだがベガリー王国の騎士団は別。
彼らのアイドル的な人気は昔からで、国内外からも注目を浴びるほど。
王妃も第二騎士団の団長を推していることも有名だ。
ミシュリーヌも王妃とは推し活仲間である。
つまりファンクラブ的な立ち位置のものが推し活に変わったということだ。
(この国に騎士団があってよかったわ! 元々、ファンクラブがずっとあるくらいだし令嬢たちは受け入れるのも早いわよね)



