推し活スポンサー公爵との期限付き婚約生活〜溺愛されてるようですが、すれ違っていて気付きません〜

オレリアンの目の下のくまに気を取られていると、何故だかオレリアンは謝罪をしているではないか。
ラベンダー色の瞳には驚くミシュリーヌの顔が映っている。


「一年後に婚約を解消してくれればいい。後の縁談や君の人生は保証しよう」

「……」


ミシュリーヌが知らない間にどんどんと話が進んでいくではないか。
オレリアンは平然とそう言った。

(なるほど、間違えたから解消するということね)

普通の令嬢ならば、彼の失礼な態度と発言に殴り飛ばしているのではないのだろか。
ミシュリーヌとは婚約し続けることすらつらいと言われているようにも聞こえるのだが、それはただの憶測でしかないため口をつむぐ。
不誠実なのだが、責任をとってくれるあたり誠実なのか。
ミシュリーヌにはわからなくなってきてしまった。

(そもそも間違えたって済む話じゃないんじゃ……この際、そんなことを仕方ないんだけど)

だが、はからずともオレリアンのこの提案はミシュリーヌにとっては朗報だった。
それに一度、婚約して解消されたら両親も無理に結婚させようとは思わないだろう。
ミシュリーヌは訳あり令嬢になるわけだ。
なのにオレリアンはミシュリーヌの後々の世話までしてくれるという。

(つ、つまり好き放題していいということ?)

そうなれば暫く一人で生きていくのも悪くない。
今は恋愛をするのではなく、世界を自由に見て回るのも悪くないだろう。