しかし、意外にも俺と上原さんとの
関係に突然終わりがやってきた。
ベットの上で、俺の胸に頭をのせた
彼女がすっと起き上がると、
「良太さん……今日で終わりにしたい」
と呟いた。
彼女の口から出た言葉に俺は、
ベッドから起き上がると、彼女の両肩を
握りしめ、
「どうして? 俺のこと嫌いになった?」
と呟いた。
彼女はすぐに俯くと、
「私は、良太さんと普通の恋人同士に
なりたかった。あの夜、あなたに恋人が
いるって知ってて、自分の方からあなたを
誘った。そして、あなたと親密な関係に
なった。でも、あなたは恋人との関係も
続け、私が唯一あなたと過ごせる時間は、
職場と、平日の夜……
そして、ホテルのベッド。
あなたの週末、休暇はすべて
『恋人』のもの。
名前だっていつまでたっても『上原さん』。
このまま、あなたが恋人と結婚して
しまったら私は『愛人』と呼ばれるように
なるんだ。
そんなこと考えていたら、頭おかしく
なりそう。
でも、一番怖いのは、私、良太さんや
あなたの恋人に何かしそうで怖いの……
だから、抑制がきく今ならあなたと
別れられる」
涙を浮かべ僕を見つめる彼女は、
両手でシーツを握りしめ震えていた。
俺はその時、気がついた。
俺が最初に会った明るく、爽やかな笑顔を
見せる彼女が……いつの間にかいなくなって
しまっていることに。
ホテルのベットの上で、小さく震えながら
涙を必死で堪え、俺に訴えている彼女。
俺が……俺が彼女を変えてしまったこと。
「ごめ……ん」
情けないことに俺が発した言葉は
この三文字だった。
優しく微笑む彼女をそっと包み込むと、
彼女からは、いつもなら『優しさ』と
『温かさ』が漂う金木犀の香りが
『懺悔』と『後悔』の
香りに変わっていった。
「良太さん……さようなら」
彼女が最後に俺に残した言葉が
いつまでも耳から離れなかった。
関係に突然終わりがやってきた。
ベットの上で、俺の胸に頭をのせた
彼女がすっと起き上がると、
「良太さん……今日で終わりにしたい」
と呟いた。
彼女の口から出た言葉に俺は、
ベッドから起き上がると、彼女の両肩を
握りしめ、
「どうして? 俺のこと嫌いになった?」
と呟いた。
彼女はすぐに俯くと、
「私は、良太さんと普通の恋人同士に
なりたかった。あの夜、あなたに恋人が
いるって知ってて、自分の方からあなたを
誘った。そして、あなたと親密な関係に
なった。でも、あなたは恋人との関係も
続け、私が唯一あなたと過ごせる時間は、
職場と、平日の夜……
そして、ホテルのベッド。
あなたの週末、休暇はすべて
『恋人』のもの。
名前だっていつまでたっても『上原さん』。
このまま、あなたが恋人と結婚して
しまったら私は『愛人』と呼ばれるように
なるんだ。
そんなこと考えていたら、頭おかしく
なりそう。
でも、一番怖いのは、私、良太さんや
あなたの恋人に何かしそうで怖いの……
だから、抑制がきく今ならあなたと
別れられる」
涙を浮かべ僕を見つめる彼女は、
両手でシーツを握りしめ震えていた。
俺はその時、気がついた。
俺が最初に会った明るく、爽やかな笑顔を
見せる彼女が……いつの間にかいなくなって
しまっていることに。
ホテルのベットの上で、小さく震えながら
涙を必死で堪え、俺に訴えている彼女。
俺が……俺が彼女を変えてしまったこと。
「ごめ……ん」
情けないことに俺が発した言葉は
この三文字だった。
優しく微笑む彼女をそっと包み込むと、
彼女からは、いつもなら『優しさ』と
『温かさ』が漂う金木犀の香りが
『懺悔』と『後悔』の
香りに変わっていった。
「良太さん……さようなら」
彼女が最後に俺に残した言葉が
いつまでも耳から離れなかった。



