なんだかんだ小宮くんと別れ、家に帰った。


小宮くんは送っていくと言っていたが、

小宮くんと一緒にいる状況を見られると、

今度は私が不倫を疑われてしまうと思った。


「ただいま帰りました〜…」


時刻はもう10時を過ぎていた。


「……おかえり」


と冷たい声で蓮さんに言われた。


「こんな時間まで何してたの??」



「友達と、飲みに」


今日、初めて蓮さんに嘘をついた。


「掃除ぐらいちゃんとやっとけよ」


そこには朝時間がなく、

たたみ途中の洗濯物があった。


"先に家に帰ったのならやっておいてほしい"


なんて言う勇気が私にはなかった。



「ごめんなさい…」


「もう寝る」


「おやすみなさい」


分かってた、愛のない結婚だって

ちゃんと分かってたはずなのに


「…もう……限界かも」

静まりかえった部屋で私はそう呟いた。