「うへ……?」
「一応聞いとくけど、本当に痛いとこないんだよね?」
「う、うん。ないよ。」
奏人が守ってくれたしね。
うん。奏人がわたしの代わりにボールに当たって……。
「奏人!!あんた大丈夫なの!!」
「いや、まじで大丈夫だから!」
「そんなん言ってないで、ほら冷やす!!」
両片思いが両思いに。
仮ヒロインから正ヒロインに。
進化してもやっぱり今までのくせは抜けないもので、多分これからもわたしは奏人のヒロインであって、理解者。
「何が大丈夫よ!!青くなっちゃってる!」
「ほんとだ。意外と食らってるわ。」
この慌ただしい感じも今はただ楽しくて、もしかしたら少女漫画らしくはないかも知らないけど。
奏人の物語のヒロインは確実にわたしだった。



