「奏人、わたしのことすき??」



今までは奏人に選ばれるために頑張ってきた。
自分の中に小説のプロットみたいなものがあって、それ通りになりたい。



奏人の物語のヒロインになりたい。



抱きしめたわたしをもう一度離して、目を見て。




「好きだよ。ずっーと大好きだった。」




そんな言葉聞いちゃったら、さっきとは比になんない量の涙が頬を伝うのがわかった。



嬉しい。

好き。

わたしも奏人が好き。

プロットのことなんて頭にはもうなかった。




嬉しさと、驚きと、信じられなさで口を手のひらで隠した状態で固まって。




「これは、プロポーズ……?」

「え?」