彼のヒロインになる方法




気まずい。

手を握られた状態でピタッと止まっちゃう。


ここからベッドに座り直すのもなんか気まずいし、だからってどうしようもないし。




「今回は守れたよ。」

「へ?」




守れた?

確かに、バスケットボールから守ってもらったけど。




「11歳の時は傷つけたから、今回はやっと守れた。」



そんなことを奏人はとっても嬉しそうに呟いた。

そのときに、ハッとした。

奏人はずっーと気にしてたんだ。
あの出来事。ずーっと心に棘として刺さってたのかな。



そんなこと思ったらちょっと胸がチクッとして、気づいた時には奏人を抱きしめていた。