「それで、洗い終わったらそこの浴槽に入る。熱いから気を付けろ」
左の、もう1つの扉のほうを指差し、ミルザが言った。
「ふぅん・・・」
湯船は、今では王族と高位貴族くらいしか使えない贅沢品だ。
今では魔力持ちが減り、火魔法でお湯を沸かせなくなったから。
魔力があれば火魔法は基本ですごく簡単なんだけど、魔力がなければ始まらない。
そして、高い火の魔石を買うか、火魔法が使える使用人や魔術師&魔導師を雇うか、をできるのは一定以上の家柄のみ。
だから、伯爵より下の家は、お湯に仕えた温かいタオルで体を拭くんだそう。
いつもは香水で隠されてるから、目に見える汚れがなければ誤魔化せるらしい。
これは、私の中の『魔導師の記憶』だ。
私の脳の容量は人の2倍である。
まず、私の脳。
そして、私に記憶を流してきた魔導師の脳。
そのせいで、私は他の被検体と比べて、外の世界のことも分かるし、常識も知ってる。
魔導師はエリートらが通う『魔術学園』を卒業してるため、私の(魔術師のほうの)脳の中の大半は魔術のことだ。
コツさえ教えてもらえれば、魔術もすぐに使えるようになるだろう。
「ネフ、先に湯船行くね。滑りやすいから気を付けて移動してね」
さっきまで照れていたのが嘘のように、こっちを気遣ってくれるシオン。
それに続き、ラグト、ミルザと続いて湯船があるらしき扉のほうに歩いて行った。
私も体と頭を洗い、少しだけ悩む。
洗顔・・・これはやるべきだろうか。
体を洗ってる相手を観察するなんて、あまりにも失礼なことだからできなかった。
故に、みんなが洗顔を使ってるのか分からないのだ。
魔導師の記憶では、1日2階、しっかり洗顔を使ってケアをしている。
いや、でもこの魔導師が美容に気を遣ってるだけなのか。
とりあえずお湯でいいかな・・・。
適当に顔にお湯を当て、少し擦る。
うん、洗顔使うなんてもったいないし、なにかあったらその時どうにかすればいい。
私も湯船につながってる(んだと思う)扉を開けると、みんながなにやら笑い合っていた。
防音になってるのか、まったくこちらには声が響いてこなかったな。
みんなの邪魔をしないよう端のほうに脚から入る。
「・・・ぁ」
あったかい。
たしかに少し熱いような気もするけど、でもすごく気持ちいい。
これは・・・王族や高位貴族が毎日風呂に入る理由が分かるかも。
「ネフ、どうだ?」
ミルザに訊かれ、気持ちいよ、と返した。
左の、もう1つの扉のほうを指差し、ミルザが言った。
「ふぅん・・・」
湯船は、今では王族と高位貴族くらいしか使えない贅沢品だ。
今では魔力持ちが減り、火魔法でお湯を沸かせなくなったから。
魔力があれば火魔法は基本ですごく簡単なんだけど、魔力がなければ始まらない。
そして、高い火の魔石を買うか、火魔法が使える使用人や魔術師&魔導師を雇うか、をできるのは一定以上の家柄のみ。
だから、伯爵より下の家は、お湯に仕えた温かいタオルで体を拭くんだそう。
いつもは香水で隠されてるから、目に見える汚れがなければ誤魔化せるらしい。
これは、私の中の『魔導師の記憶』だ。
私の脳の容量は人の2倍である。
まず、私の脳。
そして、私に記憶を流してきた魔導師の脳。
そのせいで、私は他の被検体と比べて、外の世界のことも分かるし、常識も知ってる。
魔導師はエリートらが通う『魔術学園』を卒業してるため、私の(魔術師のほうの)脳の中の大半は魔術のことだ。
コツさえ教えてもらえれば、魔術もすぐに使えるようになるだろう。
「ネフ、先に湯船行くね。滑りやすいから気を付けて移動してね」
さっきまで照れていたのが嘘のように、こっちを気遣ってくれるシオン。
それに続き、ラグト、ミルザと続いて湯船があるらしき扉のほうに歩いて行った。
私も体と頭を洗い、少しだけ悩む。
洗顔・・・これはやるべきだろうか。
体を洗ってる相手を観察するなんて、あまりにも失礼なことだからできなかった。
故に、みんなが洗顔を使ってるのか分からないのだ。
魔導師の記憶では、1日2階、しっかり洗顔を使ってケアをしている。
いや、でもこの魔導師が美容に気を遣ってるだけなのか。
とりあえずお湯でいいかな・・・。
適当に顔にお湯を当て、少し擦る。
うん、洗顔使うなんてもったいないし、なにかあったらその時どうにかすればいい。
私も湯船につながってる(んだと思う)扉を開けると、みんながなにやら笑い合っていた。
防音になってるのか、まったくこちらには声が響いてこなかったな。
みんなの邪魔をしないよう端のほうに脚から入る。
「・・・ぁ」
あったかい。
たしかに少し熱いような気もするけど、でもすごく気持ちいい。
これは・・・王族や高位貴族が毎日風呂に入る理由が分かるかも。
「ネフ、どうだ?」
ミルザに訊かれ、気持ちいよ、と返した。



