世界は、きっと美しい。~屋上から飛び降りた先は、太陽を紡ぐ異世界でした~

「ここだ」

 周りには、バッジを付けた炎狩人らしき人が群がっている。

「お前らは、あっちを探してきてくれ」

 先輩らしき人が人が指を指す。


「おい、行くぞ」

 端夜と迅斗が、早くしろとせかす。

「分かりましたよ」

 億劫だ。

「今回は、危険な場所ではないから、人員は少しでも多い方がいいから、手伝ってくれ」

「はーい」

 と、言いながらも、ボールくらいの大きさと言うから、探る必要はないし、見て回っとけばいいんだよね。

「もし、見つけても触らないこと、な」

 後ろから、端夜が言う。

「分かってますよ」

 と言うか、真面目に探すと思っているのか。


 プル。

 端夜が探査機を確認して、「見つかったようだ」と告げた。


「じゃあ、今日は解散だな」

 そう、呟かれたときに、空に赤く燃えた球が上がった。

「あれが、燈の玉だ」

 その燈の玉は、まるで空気を切り裂くかのように天高く駆け上がっていく。

 その後を無数の火花が追いかける。

「俺も見つけてみてえな」

「そう、だな」

 燈の玉に赤く顔を照らされて、羨ましそうに空を見つめる。


「まだ俺らは、見つけられたことはないがな」

「それを言うなよ。格好がつかないじゃないか」

「でも、事実だろ」

「そうだけどさ」

 沈黙が流れる。


「なあ、端夜。いつか絶対、燈の玉を自分の手で見つけてやろうぜ」

「ああ。そうだな」

 二人の赤く照らされた誇らしげな顔に、なぜか自分の顔までも火照った。