世界は、きっと美しい。~屋上から飛び降りた先は、太陽を紡ぐ異世界でした~

 朝のマラソンでも、外に出るだけで、額に汗が滲む。

 木々の間で、セミの鳴き声がけたたましく鳴く。

 プール学習も本格的に始まり、水面が日光に反射してギラギラ光る。


 夏の暑さが体の芯に燃えていく、沁み込んでいく。


 定期テスト本番。

 一抹の不安を抱えながら、それでもきっと大丈夫だと言い聞かせて、会場に入った。

 入試のときの緊張が蘇り、ぞわぞわとした感覚。

 ゆっくりと椅子を引いて、軽く座った。


 息をゆっくりと丁寧に吐いて、心を落ち着かせる

「では、皆さん。席についてください」

 炎月講師が教壇に立ち、それぞれの席がテスト用紙の白に埋まっていく。

 緊張が走り、鼓動が大きくなる。

 握りしめた鉛筆が汗で滑り、コロコロと地面に落ちていく。

 カサッ。

 机の表面で髪が滑る音が小さく響き、静かな教室の中でその音が一瞬空気を変える。

 微笑んだ。

 そして、足元に落ちていた鉛筆を拾い、私の前に差し出した。

「ありがとうございます」

「大丈夫」

 鼓舞するように力強い声。  小さくそれでも心にあっと響く。

 緊張によって冷たかった心臓が温かみを持ち始め、落ち着きが戻ってくる。

「始めてください」

 その声とともに、視界がクリアになっていき、目の前の文字に頭が集中していく。

 ペンを走らせながら、鼓動のリズムが戻っていくのを感じる。

「止め」


 800点の筆記・実技テストが終了した。

 結果発表に微かな不安と大きな期待を胸に秘める。