孝之とは高校最後の今年、同じクラスになれた。



でも出席番号が1番の孝之とは席が離れててなかなか話せない。


休み時間に話しかけたくても、いつも周りに何人か女子がいて



なんか近寄りにくい。




私はとにかく寂しくて、こっちを見てほしくて、孝之に笑ってほしくて






幼なじみの特権(?)を使って、よく相沢家にお邪魔しにいく。







すぐに孝之に追い返されちゃうけどね。







「あずちゃん、これ保健委員のプリント。この前あずちゃん休んでたから。」




そう言って私の席までやってきたのは同じクラスで同じ保健委員の大野 透くん。

優しくて真面目な男の子で、孝之の友達でもある。



『ありがとう。』




透くんはにっこり頷いて孝之たちの元へ戻っていった。






透くんは孝之とは全く違うオーラでほんわかした感じ。オシャレで話し上手なため、また彼も女子から人気がある。







孝之もあんな風に私に笑ってくれたらなぁ、なんて思う。