俺の痛みに金を払え

トシの家へ行くと
いつもひょうきんなトシは
元気がなかった。
俺はそんなトシを見ても何も声をかけずでいた。

トシは、俺が学校にこないのと
直子ちゃんの事を半分キレながら問いただしてきた。

トシ:狂、お前最近どこおるん?
どこでなんしよんか?

俺:いや、みゆき達と大手前おるよ

トシ:お前直子ちゃんどーするんか?

俺:どーするも何も住む世界違うからな
直子ちゃんは真面目で勉強もできて
俺なんかと付き合うより、他にいい人おるやろ

その瞬間トシは俺につかみかかってきた。

トシ:お前大概にせーよ
直子ちゃんの気持ちも知らんと
せめて彼女に会いに学校行ってやれ

俺:行く理由も行く気もねーよ
俺はもう学校には絶対いかん

トシは俺を一発殴った。

俺:なんやお前!

トシ:。。。。

トシは何か言いたそうな表情だったが
俺はそのまま自宅へ戻った。

初めてトシと喧嘩になり
なんか虚しい空気感だった。

学校へ行ってもクラスの奴らに迷惑がかかる
授業にでてる訳でもなく
登校しても、暇な時間が多い。

色々頭で考えても仕方ないが
考えてしまう。

トシが放った言葉も引っかかる。

姉も相変わらず家には帰宅しておらず
いつもこの家で1人だ。

この家はきっと何かあると思う。
中学生ながら確信してた。

山奥にある古びた家。

みんな離れ離れになって
俺1人。

虚しさが一気に込み上げてきた。

俺は鍵をかけ
そっと家をでた。