俺の痛みに金を払え

俺はたまに思う。
母親は今どこで何をしているのか?
父親はどこにいるのだろうか?

最近祖父母と叔父、叔母は
母親が最初からいなかった様に
母親の話をしなくなり
母親と言う単語すら出さなくなっていた。

大人は都合が悪い事は口にしない
俺はそう思っていた。

今日は一段と母親に対する思いが
強くなり写真を手にした。

久しぶりに見る母親の笑顔だった。
写真を見ると同時に大量の涙が
こぼれ落ちた。

自宅へ姉が帰ってきて
俺は姉に泣く姿を見られたのだ。

姉もよそよそしく
俺に話しかけた。

姉:狂どしたん?

俺は泣きじゃくりながら
姉に気持ちを伝えた。

俺:お母にあいてぇよ

姉も我慢していたのだ
その日の夜は
二人とも母親の写真を眺め
兄弟身を子にして泣いた。

何故かしらないが
二人で家の外を出て
近くの河原の橋へと向かった。

姉:もう、あえんのやろうな

俺は更に泣いた

姉:そんな泣かんで
こっちも悲しくなる

俺:こっから飛び降りたら
何もかも忘れて楽になるかな?

姉:何バカな事いいよん?
そんな事考えたらいけんよ

俺はマイナス思考となり
その日はずっと泣いていた。

姉がタバコでも吸いなよと
声をかけてくれて
二人で煙草を吸った。

その日は夏に近づいてるのに
どこか肌寒く感じた。

俺と姉は
家に帰り音楽をきいた。
母親が大好きだった
スターダストレビューだ。

その曲を聴くと再び涙が溢れ出たのだ

姉は俺に気を使い

姉:なんか聴きたい曲ないん?
かけるよ

俺は校長に借りた
BEATLESSを思い出し
バックからだし
姉に渡した。

どこか心温まるサウンド
中でも
レットイットビーが気に入った。

俺はBEATLESSのかっこよさにも気づいて
音楽は気持ちを変えてくれる
魔法の音だと痛感した。

その日から
姉と、自然と会話する様になり
姉の彼氏の存在や
遊びに行ってる場所などの話をきいた。