俺の痛みに金を払え

夜の7時頃寝て
時計を見たら9時だった。
カーテンを開けると
朝になっていた。

俺は12時間以上も寝てしまい
長い夢を見ていた。

家の中1人
煙草に、火をつけると
家の中を見回すと
親父の血痕の跡が今もある。

朝から憂鬱な気分になり
俺はまた寝た。

すると聞き覚えのある声がした

狂くんいますか?
狂くんいますか?
トントン
窓を叩く音

俺は起き上がり玄関をあけると
そこには音楽の先生がいた。

先生:おはよう
中に入ってもいいかな?

俺:入ってもいいけど汚いし
お茶もないよ

先生:お茶なんかいらないよ
ちゃんとご飯は食べてるの?

荒れ果てた室内を見て
先生はすぐ気づいたのだ。

先生:お母さんは?

久しぶりにきいた単語
今迄に我慢して記憶を抹消しようと
努力していて
俺の目には大粒の涙がこぼれ落ちた。

先生:ごめんね。
話したくないこともあるよね?

俺は啜り泣きをしながら
先生に伝えた。

俺:母親は出て行き
親父はそれ以降家に帰らなくなって
姉も出て行き、じーちゃん家にも
あまり迷惑をかけたくないから
としの家に行ったりして
たまにここに一人でいます

先生:そんな辛い事があったのか
そんな辛い中、生きててくれてありがとう
学校にも給食だけでも食べにおいでよ

俺:でも給食費はらえんから

先生:そんな事心配しなくていいから
みんな狂くんのピアノまた聞きたいって言ってるのよ

先生:あ、そうだ
今日先生午前中は授業ないから
ご飯食べに行こっか?

先生は話しながら
汚れた部屋を片してくれた。

先生:狂くん何食べたい?
食べたい物食べに行こうよ!

俺:いやいいよ
みんなと給食食べたいし
それにまたギター教えてほしい

先生:じゃあ今から学校へいく?

俺:うん

先生の車へ乗り俺は一緒に学校へと行った。

音楽の先生にだけ俺は心を開いた。
大人は裏切る人だと思い
自然に心を閉ざしていた。