俺の痛みに金を払え

学校が終わりと同時に
部活組はチャリにのり急いで
小学校先のグランドへチャリを飛ばした。

俺はゆっくり音楽の先生のところにいき

俺:明日も来るけ
ギター教えてな
ピアノならいつでも弾いてやるよ

先生:まぁ、嬉しい
気をつけて帰りなさい
また明日待ってるわね

俺は中学校を後にし
じーちゃん家に戻った。

じーちゃん:久しぶりの学校はどーじゃったか?
楽しかったか?

俺:まぁ久しぶりで行ってよかったし
音楽の先生からギター教えてもらうから
明日もいく

じーちゃん:ほう
そうか
今日も泊まるか?

俺:今日はとしの家いくわ

じーちゃん:あまり迷惑かけてもいけんよ

俺:うんわかっとる
てかさ、なんで部活になると
あんなチャリ飛ばしてみんないくん?

じーちゃん:あーあれはな
テニス部顧問
永井先生の指導じゃ
永井先生はなテニス部で各校を
県大優勝まで育てあげる
有名なテニス顧問じゃ
永井先生が中学校からグランドまで
車で行くまでに
ラーニング、筋トレを終わらせとな
永井先生のしごきが待ってるからじゃよ

俺:そんな厳しいん?

じーちゃん:永井先生がきて
4年
弱小テニス部だったが
四年連続県大優勝じゃよ

俺:すげーな

じーちゃんから話しをきいて
俺はテニス部に興味を持った。
俺は体育会系の野球部で
野球をしていた少年時代を思い出して
そのままチャリでグランドへ向かった。

さぁこーい
軟式テニス部だ
いつもバカやってるとし
ヘラヘラしてる直樹
ひょうきん物のたかひろ
のいつも見る顔とは
違い
懸命に集中して部活に励んでいた。

俺は3年の事は全く知らない

すると一台のセダンが止まり
厳しい顔つきで降りてきた。

俺に向かって
君は南部さんとこの孫か

俺:あ、はい

永井:テニス部に入って一緒やってみらんか?
小学校の運動会で君の運動神経のよさに
目を引くもんがあってな。
今からやっても2年は追い越せるレベルには
私が指導してあげるから
もし興味があるなら
また来るといい。

俺:わかりました

俺は家に帰り
目を瞑った。

懐かしい景色が浮かんで
野球部の練習風景と重なったのだ。

俺は決心した。
テニス部に入ろうと。

そのまま自宅に帰り
机に座った。
昨日あさこからもらったお土産を開けずでいたからだ。

なんだろーな

すると手作りクッキーと
俺がよく食べてた駄菓子の詰め合わせと
黄色分厚い冊子が入っていた。

表紙を見ると
5年東大水子と書かれており
中を見ると
みんなで行事ごとにとった写真や
10年後の君へむけたメッセージや
当時クラス全員の住所が乗った
1年間の思い出で
最後にみんなが俺に寄せ書きを書いててくれた。
先生がわざわざ俺の為に作ってくれた
冊子だった。

俺は懐かしく沢山読んだ。
まだ、汚れていない野球少年の心を持った
俺がいた。

10年後の君へは
俺は巨人ドラフト一位指名になり
プロ野球選手になり
大水のスターになってますと
小学生らしい文章だった。

そして紙袋の最後に
あさこから手紙がはいってた。

狂くんへ。
私の家はママに彼氏ができたりで
私の家なのに居場所がないよ。
学校も行ったふりをして
毎日ヤンキーの先輩達と遊んでる。
狂くんがいてくれたら
もっと楽しい中学生だったはずなのにね。
岩やみのもは心配して
今回狂くんにあってみたらって
提案して一緒に行くっていってくれたの。
狂くんにあったら何かかわるかな?
あったらよけい寂しくなりそうで
怖い反面会いたい気持ちでいっぱいだよ。
あの日からずっと狂くんの
笑顔が私を救ってくれるよ。
今の狂くんは幸せですか?
沢山笑って沢山泣いてますか?
私は心が痛くなる時があります。
でも、くじけないよ
狂くんにはまた会いたいから。
狂くんが好きな駄菓子
ちゃんと覚えててえらい?
あとクッキー焼いてみたから食べてね。

また会える日まで一緒にがんばろ
あさこより

俺は心を締め付けられた。
あさこはそんな苦しいそぶりを一切見せず
俺に笑顔を振りまいて
俺にあいにきてくれたのだ。

俺はあさこの家へ電話した。

電話わ繋がらなかった。
また夜かけようと思い
あさこにもらったお菓子を食べ
眠ってしまった。