俺の痛みに金を払え

次の日珍しく早く起きれた。
昼夜逆転生活を続けていた俺は
学生服に着替えて
昨日買ったピアスを持って
じーちゃん家を出た。

じーちゃんばぁちゃんが喜んでいた

じーちゃん:今日は学校いくんか?
しかし、ちとはえーぞ
まだ6時半ぞ

俺:とし起こして行くけん
早めにいくー

ばあちゃん:気をつけて行ってきなさい

俺:はーい

俺はチャリにのりとしの家へ向かった。

としのへやの窓を叩くと
としは眠たそうに目を擦りながら起きて
部屋をあけてくれた

とし:まだはえーやん
7時なってねぇやん

俺:うるせぇ
はよ学校いくぞ

とし:珍しい
なんかあった?

俺:いやなんもねーよ
あ、そういえば昨日ピアス買ったから
お揃いでつけようや。

とし:お、いいね
でも、担任うるせぇから
休みの日つけるわ!

俺:なんかそれ
担任にびびってるん?

とし:いやまだ俺2年やし
3年の先輩もうるさくてよ

俺:3年ね
ボソしかおらんやん
あんなんびびらんでいいって笑

とし:いや、部活もしよんけ
色々あるんよ

俺:そうか
わかったよ

見た目はちょっとだけヤンチャなのに
としは学校にもちゃんと行き
テニス部もちゃんとしていたのだ

ピアスも透明ピアスをつけていた。

俺らは朝早くから
バカな話をし
中学までチャリの競走をしながら
学校へと行った。

学校の最後坂道があり
そこでとしは
ケツをぷりぷりしながら
変なチャリの漕ぎ方をし
俺は爆笑した。

俺:まじやめれ
それ
はらいてー

とし:必殺しりこぎ

爆笑しながらグランドにつくと
俺の姿を発見し
たかひろと直樹が手を振ってくれた。

としとは学年が違うから
一旦わかれ
俺は一年の教室へと向かった。

直樹:狂くん久しぶりやな

たかひろ:元気なんか?

俺:まぁぼちぼち生きてるわ

クラスのみんなと久しぶりに話した。

授業開始のチャイムがなり
俺は保健室へと行った。

授業はだるいので
保健室の先生や
音楽の先生と話すことが
俺にとっての授業だった。

保健の先生は噂話しがすきで
俺の家庭環境へ興味を持っていた。

俺は話す気にもならなくなり
音楽室へ行って
久しぶりにグランドピアノを見た。

俺は昔ピアノを習っていたので
無性にピアノが弾きたくなり
エリーゼのためにを弾いた。

するとすぐ拍手がとんできた
音楽の先生だった!

先生:わぁ!凄いわね
楽譜とかは読めるの?

俺:まぁ一応

先生:次の時間は一年生の音楽の時間だから
狂くんピアノ弾いてみない?

俺:いやいいよ
恥ずかしいわ

先生:せっかくなのにひいて
合唱の練習で先生は指揮をとりたいから
ピアノを弾いてほしいのよ

俺:んー
そしたらさ、ピアノ弾くけん
ギター教えてよ

先生:いいわよ
クラシックギターだから
狂くんならすぐできるはずよ

俺:おし
約束やけ

次の時間になり
俺はピアノを何回も弾いていた
先生も指揮に力が入り
合唱にも力が入っていた。

昼休みになり
給食を食べに教室へ戻ると

直樹:狂くんはピアノもひけてかっこいいわ

俺:そんな事ねーよ

たかひろ:俺も猫ふんじゃったならひけるよ

直樹:たかひろの猫ふんじゃったは
普通なんよ
品がねぇけ

クラス全員が笑った

さとし:合唱コンクールがあってさっきの曲が課題曲なんよ
いつもは恵ちゃんがピアノ弾いてくれるけど
恵ちゃん部活で指骨折してるから
狂くん弾いてくれたら心強いな

恵:確かに
狂くんのピアノの演奏かっこよかったし
歌いやすかった

直樹:それにさ
久しぶり全員そろってなんかまとまったよな

一同:あーそれわかる

俺:そんなかわらんやろ

久しぶりのみんなに会えて
同じ教室で給食を食べ会話が途切れなかった。

教室から窓をあけたら
すぐ裏山に降りれる。

俺の喫煙所はこの一角だった。

ひろこ:わぁ狂くん煙草吸いよんやん

俺:あ、窓閉めとき
匂いで先生にバレたら
みんなに迷惑かかるけ

ひろこ:はーい

俺は煙草を吸い
昼休みは
池の鯉に餌やりに行った。

すると
音楽の先生が

先生:狂くん次時間あいてるから
約束のギター一緒にひく?

俺:うん

五時間目、俺は
マンツーマンでギターを教えてもらった

俺:ギターって簡単そうで
割と難しいな

先生:ピアノと一緒よ
コードを覚えたり譜面覚えたら
簡単なのよ

俺は初めてギターに触れ
ギターに虜になった。

先生とは日常的な会話や
家庭の話しもする様な仲になっていった。
棘もなく、俺をわかってくれて
母親と話してるようだった。