俺の痛みに金を払え

夏休み前に俺は久しぶり学校へと行った
担任も喜び
5月に詰んだ茶摘みのお茶会が
偶然にもその日だった。

担任は嬉しそうに

担任:今日はみんなが苦労して詰んだ
お茶葉がお茶になりました。
時間がかかりましたが
みんなの努力の結晶です。
クラス全員でお茶会をひらけて
先生は嬉しいです。

と担任は泣きそうな声で言った!

俺達はお茶よりお菓子が気になって仕方なかった
その日のお菓子は
饅頭とポテチの九州しょうゆだった。

11人机をひっつけて
真ん中にお菓子を並べて
お茶と共にお菓子を堪能した。

たかひろ:毎日これやったらな

俺:そげぇある

直樹:毎日これやったら休みでも登校するわ

クラス全員が笑った。

そして帰りの会で
新茶を貰い
俺らは待ちに待った夏休みへと
期待に満ちていた。

夏休みは、ほぼ毎日川へ
朝から晩まで泳ぎ
釣りをしたり、ちょんがけをしたり
真っ黒に俺達はなった!

ちょんがけは
竹の先に針をひっかけて
素潜りであゆに針を引っ掛ける簡易漁みたいなかんじだった

俺は釣りより、ちょんがけにハマった。
毎日毎日川で
泳ぎは遊び
夏休みを謳歌していた。

夏休みも終わりに近づくと
俺達は宿題に追われていた。

仲のいい奴らで
ひたすら答えを見せ合い
写す作業に没頭し
どうにか宿題も二日で終わり
2学期がスタートした。

2学期にはいりすぐ
韓国の姉妹校へホームステイが待っていた。
海外にも行った事のない
田舎の小学生には
ちょっとワクワクドキドキするような
一代イベント!

俺達は授業の一環でハングルも勉強して
韓国のアリランと言う曲も合唱の練習をした。

未知の世界に皆の胸は高まるばかり。
早く韓国行きたい気持ちが日に日に強くなったのだ。

韓国へ行く当日
大型バスが出迎い
親達がお見送りにきて
俺らは空港へと向かった。
まだ高速もない開通してなく
バスで四時間半と長旅だ。

最初は盛り上がっていたバス車内も
空港に近づくにつれて
静まりかえっていた。

朝早くバスに乗った俺たちは
寝ていた。

空港に着くと飛行機に乗り
離陸準備。

みんな初めての飛行機で
やや不安に満ちた表情だ。

一時間ちょいで韓国に入国し
俺達は姉妹校
広南初頭学校へ向かった。

学校に着くと
日韓の大きな国旗と
大きなテーブルに
見たこともないジュースとお菓子が並べられていた。

席に着くと学校をあげて
日本人の俺たちを盛大に迎えてくれた。

韓国の民族衣装
チマチョゴリに身を包んだ同級生が
歌とダンスで出迎えてくれた。

俺達もこの日の為に練習してきた
アリランの合唱を披露した。

合唱が終わると
フォークダンス的なダンスで
男女入り混じってダンスをした。

初めてみる外人に皆ドキドキしていた。

ダンスも終盤に差し掛かり
1人の女の子から

カタコトの日本語で

私にもそれを下さいと言われた。
俺は右腕に黒いチューブのアクセサリーを
3個付けてたので

俺:これですか?

女の子:はい

俺:いいよあげるよ

女の子:あなたは一番かっこいい
チングの証

と言われ
彼女の腕にもピンクのチューブのアクセサリーがありそれを俺にくれた。

俺はその子が可愛いくみえた。

ダンスが終わり
テーブルを囲い
日本人は韓国語で自己紹介
韓国人は日本語で自己紹介と
ちょっとややこしい自己紹介が始まって
お菓子とジュースを食べ
交流を深めた。

俺はさっきの子とすぐ仲良くなり
お互い会話を深めた。
わからない言葉は手振り身振り
単語をひっつけてどうにか会話をした。

時間も深まり
ホームステイ先の子と
各々班になった。
俺はさとしと一緒だ
さとしは頭がいいから心強い
ホームステイ先の子は
手にギブスをしていた
パク君だ。

その日からホームステイ先に泊まり
交流をする日程で
パク君の家へ向かった。

パク君の家は高層ビルの中で
親が教師と育ちのいい子だった。
家族構成は
父親、母親、姉、妹、パク君だ。

俺らは日本から持ってきたお土産を渡して
居間に腰を下ろした。

家族から自己紹介をされ
俺らも緊張しながら自己紹介をし
母親が出してくれた
お茶を飲んだ。

俺とさとしは目があった。

日本ではあまり飲む機会ががない
コーン茶だったからだ。
俺は苦手な味で一口飲み
パク君と遊んだ。

パク君は腕を骨折しており
遊ぶ物も日本とは違い
知育玩具が多かった。

レゴのブロックでひたすら物を作ったりして
さとしは気があっていた。
俺はどことなくつまらない

妹とお絵描きをして遊んだ。
その日はパク君一家と外食で焼肉を食べに行った。
韓国の焼肉は日本と違い
サムギョプサルが多く
サンチュで挟んで食べるのが主流だ。

俺は沢山食べ
家へ帰った。

家に着くと俺達はすぐ寝てしまった。
時間で言えば9時にもならないくらいだったと思う。

夜中ふと目を覚ましてトイレへ行くと
パク君の姉の部屋から光が漏れて
興味本位に視線をむけると
何やらうちわに絵を描いていた。

俺は変わった趣味だなと思い
再び寝た。

その日の朝から丸一日記憶はないが
ホームステイは一瞬で幕を閉じた。

帰り際別れの挨拶をし
母親があなた達は私の日本の子供です。
またいつでも遊びに来て下さいと
心温まる言葉をかけてくれた。

父親も、パクが骨折をしていて
遊びに連れて行く事ができなくて
すまないと俺たちに
5000ゥォンをくれた。

姉がお土産をくれた。
そこには韓国の民芸品のうちわに
俺たちの似顔絵とハングルで
最高の兄弟と書かれたうちわを貰った。

妹からは
日本語でキョウと書かれた似顔絵をもらい
俺たちのホームステイは
感動に満ちて終わった。

学校に戻りお別れ会をし
昨日アクセサリーをあげた女の子から手紙とお菓子をもらい
俺たちはホテルへとうつった。
手紙はバックにしまい込み存在自体忘れていた。

次の日は俺達が心待ちにしていた
ロッテワールドに行く日だ。
韓国のテーマパークだ。

その日の夕食は
ホテルから近い焼肉屋でみんなでご飯を食べた。
各々ホームステイ先の話で話はつきなかった。

たかひろが

たかひろ:狂くん
キムチ勝負しようや! 

俺:いいよ負けたら
明日ジュースおごりな

たかひろ:ok

俺とたかひろは本場韓国のキムチを舐めていた
日本のは辛さに踏まえて甘味もあるキムチが多い中
本場韓国キムチは
ピリと辛味が後を引く甘さなどない
辛いキムチだ

2人とも負けず嫌いの為勝負はつかず
終わってしまい
腹一杯ご飯とキムチを堪能した。