特別高くも低くもない一六二センチの身長に、ロブヘアの髪は仕事中は少し手の込んだように見えるハーフアップにまとめていることが多い。
学生時代は実年齢よりも上に見られがちだった目鼻立ちがくっきりしている顔は、黒目がちな猫目が特徴で、性格も社交的ではなく、どちらかというと人見知り体質。
このキリッとした目元に人見知り由来の話し下手も相まって、昔から私は初対面の人には〝クール〟とか、〝とっつきにくそう〟とか、〝お高くとまってる〟とか思われてしまうタイプの人間で、学生時代、入学、進級などで一度リセットされた人間関係の再構築を図るのに毎回苦労してきた。
頭の中ではおしゃべりなのに、口に出す前にいろいろ考え過ぎてしまって結局しゃべるタイミングを逃してしまう、なんてことは日常茶飯事で、だからそれに失敗したことも、一度や二度じゃない。
そんな私が入社後、社内外の人間と圧倒的に接する機会の多そうな広報部に配属されてしまい、内心泣きそうになりながらも自然な営業スマイルと営業トークが繰り出せるようになる頃には、なぜかそんな異名がついていたらしい。集中すればするほど表情が無になってしまうところも原因のひとつかもしれない。
『私、OJTが澄乃さんって言われた時すっごいビクビクしてたんですけど、全然怖い人じゃなくて良かったです!』
人懐っこくて良くも悪くも素直な梨菜ちゃんと打ち解けて来た頃、カラカラ笑ってそんなあけっぴろげな告白をされてしまったくらい、その異名は社内で一人歩きしていた。
……残念ながら、実際の私はクールでもビューティーでもなんでもないのだけど。
そこで私の社用スマホが着信を告げ、「梨菜ちゃん、これあとでちゃんと見ておくね」と笑顔を見せてから、営業モードに切り替えて電話に出るのだった。
学生時代は実年齢よりも上に見られがちだった目鼻立ちがくっきりしている顔は、黒目がちな猫目が特徴で、性格も社交的ではなく、どちらかというと人見知り体質。
このキリッとした目元に人見知り由来の話し下手も相まって、昔から私は初対面の人には〝クール〟とか、〝とっつきにくそう〟とか、〝お高くとまってる〟とか思われてしまうタイプの人間で、学生時代、入学、進級などで一度リセットされた人間関係の再構築を図るのに毎回苦労してきた。
頭の中ではおしゃべりなのに、口に出す前にいろいろ考え過ぎてしまって結局しゃべるタイミングを逃してしまう、なんてことは日常茶飯事で、だからそれに失敗したことも、一度や二度じゃない。
そんな私が入社後、社内外の人間と圧倒的に接する機会の多そうな広報部に配属されてしまい、内心泣きそうになりながらも自然な営業スマイルと営業トークが繰り出せるようになる頃には、なぜかそんな異名がついていたらしい。集中すればするほど表情が無になってしまうところも原因のひとつかもしれない。
『私、OJTが澄乃さんって言われた時すっごいビクビクしてたんですけど、全然怖い人じゃなくて良かったです!』
人懐っこくて良くも悪くも素直な梨菜ちゃんと打ち解けて来た頃、カラカラ笑ってそんなあけっぴろげな告白をされてしまったくらい、その異名は社内で一人歩きしていた。
……残念ながら、実際の私はクールでもビューティーでもなんでもないのだけど。
そこで私の社用スマホが着信を告げ、「梨菜ちゃん、これあとでちゃんと見ておくね」と笑顔を見せてから、営業モードに切り替えて電話に出るのだった。



