そんなオレが自分の中にある明確な気持ちを自覚したのは、過去のことを打ち明けた時。
オレのために一生懸命言葉を紡いでくれる椿さんを、もうどうしようもなく愛おしいと思った。
その日を境に、オフモードの時には完全に敬語をやめた。オレの中の、ストッパーみたいなものだ。
でも、この二人だけの時間を失いたくはなくてそれ以上踏み込めずにいたオレはある日、椿さんの心の傷を知った。
……でも、抱きしめるのはさすがにやり過ぎた……。
セクハラで訴えられこそしなかったものの、それ以来屋上での椿さんがどこかよそよそしくなってしまったのだ。たぶん、オレの気持ちを悟られたのだと思う。
当たり前だ。下唇を噛んで耐えているその健気な姿に堪らなくなって、オレはそのままのきみが好きだ、という気持ちを込めて抱きしめてしまったのだから、言い訳のしようもない。
だけど大切に紡いできた二人の時間が、こんな風にギクシャクとしたままでいい訳がない。だから椿さんにはもう、きちんと気持ちを伝えよう。
── 元カレの接近は、オレがそんな決意をして告白のタイミングを見計らっていた、そんな矢先だった。
打ち合わせのため工藤さん、朝宮さんと椿さんの会社に向かっている途中。ふとカフェの中に二人の姿を見つけた時。
彼女がまた理不尽な言葉で傷つけられているかもしれない。そう思ったら居ても立っても居られず、オレは二人を置いてカフェの中へと駆け込んでいたのだった── 。
オレのために一生懸命言葉を紡いでくれる椿さんを、もうどうしようもなく愛おしいと思った。
その日を境に、オフモードの時には完全に敬語をやめた。オレの中の、ストッパーみたいなものだ。
でも、この二人だけの時間を失いたくはなくてそれ以上踏み込めずにいたオレはある日、椿さんの心の傷を知った。
……でも、抱きしめるのはさすがにやり過ぎた……。
セクハラで訴えられこそしなかったものの、それ以来屋上での椿さんがどこかよそよそしくなってしまったのだ。たぶん、オレの気持ちを悟られたのだと思う。
当たり前だ。下唇を噛んで耐えているその健気な姿に堪らなくなって、オレはそのままのきみが好きだ、という気持ちを込めて抱きしめてしまったのだから、言い訳のしようもない。
だけど大切に紡いできた二人の時間が、こんな風にギクシャクとしたままでいい訳がない。だから椿さんにはもう、きちんと気持ちを伝えよう。
── 元カレの接近は、オレがそんな決意をして告白のタイミングを見計らっていた、そんな矢先だった。
打ち合わせのため工藤さん、朝宮さんと椿さんの会社に向かっている途中。ふとカフェの中に二人の姿を見つけた時。
彼女がまた理不尽な言葉で傷つけられているかもしれない。そう思ったら居ても立っても居られず、オレは二人を置いてカフェの中へと駆け込んでいたのだった── 。



