桐君はお兄ちゃんじゃない

 冗談には見えない表情に、顔が熱くなります。

 ……もう!

 顔がリンゴみたいな私に対して、桐君は楽しそう……。


「ごめんて、好きだよ。楓莉」

「ふぁ、ふぁい!?」


 ま、また、からかって……!

 でも、その表情が、あまりにも甘くて……。


「わ、私も好き……です」


 い、言っちゃたじゃないですかー!

 恥ずかしい、恥ずかしすぎる……。

 何で、何も言わないんですか……。

 そう思って桐君の顔を見ると……言葉通り、真っ赤。


「ちょ、見ないで……」

「え、見ますよ?」


 ああ、なんて人だ。

 あなたの一挙一動が、私の心をこんなにも揺さぶる。

 好きで、好きで、たまらない人。

 
 あなたは……

 桐君は、お兄ちゃんじゃない。