桐君はお兄ちゃんじゃない

「で?仲良くなれたの?」

「はい!そりゃもう!桐君は嫌われてるみたいですけど……」

「何で笑ってんの」


 今、桐君と夜のお散歩中です。

 最近、日課になっているこれ。

 桐君に危ないことはしてほしくないですが、「夜が好き」と言っていたので、天気のいい日は一緒に近くの公園などをうろちょろしています。


「そういえば、桐君を見つけた時、桐君、『俺の何になりたいの?』て、聞いてきましたね」

「あー……、そうだったね」


 いかにもうろ覚えアピールをしてくる桐君。

 絶対、普通に覚えてますよね。


「桐君は、私の何になりたいんですか?」

「わー……。やっぱり、来ると思った。その質問返し」

「だったら、考えてたんじゃないんですか?私、あの時急に聞かれて、困ったんですよ」

「えー……それはなー……」


 照れくさそうに頭をかいている桐君。

 まったく……。