桐君はお兄ちゃんじゃない

 どこまでズルいんだ、この人……。

 それより……。


「そういえば、怪我してたじゃないですか……!早く家に帰って、手当を……」

「え、そんな傷深くないよ?」

「そんなふうには見えません!」

「え、でもあいつらのパンチくらいで……」


 このひねくれたお兄ちゃん。

 手がかかるし、どっちが上か分からない……。

 でも、特別な人。

 だから、この人がこれ以上傷つかなくていいように、私は願うのです。