桐君はお兄ちゃんじゃない

 何でここに、という疑問と一緒に、少し安心しました。

 何か、このすごそうな人たちも、綾瀬君なら一刀両断してくれそうで……。


「あれ、この制服。桐んとこと一緒じゃね?」

「本当だー」

「え、何?桐、知り合い?」

「は?なわけねーだろ」


 ……え?

 いつの間にか、親しげに話し始めた綾瀬君とその人たち。

 「桐」って……。確か、綾瀬君の下の名前……。


「何?あんた。早く行けよ」


 唐突に、そう言い出した綾瀬君。

 「早く行けよ」って……。

 このまま、綾瀬君を置いて行っていいのか、分からなかった。


「えー、言っちゃうのー?」

「おい、桐。かっこつけんなよー!」