桐君はお兄ちゃんじゃない

「……何で、謝るんですか……」


 私のせいで、こんなに傷ついて……。


「本当に、やり返さなかったんですね……」


 本当は、分かっていたのに。

 桐君が約束を守ることくらい……。


「うん……。別に、お兄ちゃんじゃなくていいけど、置いてかれそうだったから」

「置いていきませんよ……絶対に……」

「ふふ、そう……?」


 ごめんね……桐君。

 きっと、ごめんねじゃ、足りないよね。


「何で、来たの?」

「え?」

「何で……。香坂とかいう野郎が、好きなんじゃないの……?」

「はい……?何を言ってるんですか……?」