桐君はお兄ちゃんじゃない

「ひっ……!」


 何でしょう……?

 このえげつない音……って……桐君!?

 いつの間にか、私の隣にいた男の人の顔を踏んづけている桐君。

 え、速……。

 え、強……。

 桐君、もしかして、腕力ゴリラですか……?


「おい……!桐、お前、何して……!」

「桐君!」


 驚いたように、振り返った桐君。

 よかった……私の声、まだ届いてた……。


「やめましょう。桐君……」

「楓莉……」

「それ以上、殴ったら、私もう桐君のことお兄ちゃんと思いません……!」

「……は?」