桐君はお兄ちゃんじゃない

 最先端のコスメを使い、少し巻いた髪はもう【ギャル】ですよね……。

 いや、それでも注意されないのは、彼女の人当たりの良さ……つまり、【陽】の気質でしょう……。


「ねえー……聞いてるー?」

「あ、ごめん。聞いてなかった」

「もー、綾瀬君もー……」

「……何?」


 中井さんの声を遮ったのは、私も聞いたことのないくらい不機嫌な、桐君の声でした。

 ゾクッと背筋が凍るような、恐ろしい感覚……。


「……何?今話してたんだけど。親しくもないのに、よくそんなことできるね?」

「え、だ、だって……」


 さすがの中井さんも、この表情……これは怖いですよね……。


「1人じゃ話しかける勇気もないくせに……群がったら最強なんだ?すごいね。あんたら……」

「あー、桐君。そこまでにしましょう……!」


 これ以上桐君に話させたら、印象がもっと悪くなってしまいます……!