桐君はお兄ちゃんじゃない

 確かに、私の隣、誰もいませんけれど……。

 それは、席決めの際、神引きした【隣に誰もいない窓側の席】なんですが……。

 ……終わりました。私の学校生活。

 いや、そもそも始まってないようなものなんですけど……ぼっちですし。

 学校で桐君に話しかけたら迷惑かなーって、桐君とさえ話していませんし……。

 え、だって、どうするんですか……?

 隣の席だったら、授業中の会話避けられないですし。

 グループ活動でも一緒になる可能性高いですし。

 こんな陽の塊がいたら、窓際の席にも人が集まって来ますし……。


「よろしくね。三澄さん」

「え、あ、はい。よろしくお願いします」


 こうなったら……。

 【こいつ全然話しかけても反応しないし、面白くないやつ】認識をしていただかないと……。

 ……これを使うのは久々ですね。

 入学したときは、陰のオーラを振りまいていたので、基本的に誰も話しかけてきませんでしたし……。

 いい人みたいなので、心苦しいですが……。

 すみません。香坂君……!