桐君はお兄ちゃんじゃない

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 まあ、いろいろあって、新婚旅行の日がやってきました。


「行ってらっしゃい」

「行って来まーす♪」

「じゃあ、ごめんね。楓莉ちゃん。桐のことも、よろしく」

「はい、楽しんできてください」


 うきうきのお母さんと苦笑いの綾瀬さんを送り届けて、自室にこもります。

 あ、でも、最近は綾瀬君も夜、うろちょろしていないみたいだし、よかったな……。

 とか思っていたんですが……。


〈ダンッ……〉


 と、何だかものすごい大きな音が聞こえて、慌ててきました。

 どうしたのでしょう……?

 綾瀬君の部屋から聞こえてきたような……。

 とにかく、見に行ってみるしか……。

 そう思い、綾瀬君の部屋を〈コンコン〉とノックします。